JSSOスクール実施報告

■2022年度
 従来教室での講義と現場の見学を実施していたJISSO スクールは、コロナ禍を鑑みWEB 上にビデオ講座を開設し2022 年7 月から9 月までの3 ヶ月間開講しました。
 講座内容は講義として「実装の重要性」「実装技術の体系と全体像」「商品化での実装化手順」「電子部品」「プリント配線板」「半導体実装」「実装の今後」の7 講座、製造現場とプロセス解説として(株)メイコー(プリント配線板)とシークスエレクトロニクス(株)(EMS)の2 企業で構成しました。講義講師は全てYJC メンバーで、合計で7 時間10 分の講座になりました。
 広報は協賛として「エレクトロニクス実装学会」「日本電子回路工業会」「NPO 法人サーキット・ネットワーク」「神奈川県立産業技術総合研究所電子技術部」、後援として「横浜国立大学」にお願いし、従来のYJC 会員・準会員宛メール配信とともに協賛組織を通じて紹介しました。また従来通りYJC ホームページに掲載しました。
 受講料はYJC 会員、協賛組織会員は10,000 円、一般は15,000 円としました。申込者は35 社から76 名、内3 名が未受講でした。16 府県から参加者があり、修了証希望者は32 名でした。アンケート回答はタイミングのずれから5通に留まりました。アンケート結果は概ね良好でしたが合成音声より講師本人の説明を求める要望がありました。

■2021年度

 2021 年度は中止、2022 年度へ向けて準備を進めました。
 長年継続してきたYJC JISSO スクールはコロナ禍の前、2018年度までは開催致しましたが、新型コロナ感染拡大の余波からこの3 年、中止をせざるをえませんでした。ウエビナー的に行う選択肢もあったのですが、近年重要な要素になっている本スクールの特徴としてのリアル現場見学が叶わず、講義だけでは特徴が失われることになるとの判断でした。
 結局2021 年度も中止になりましたが、これ以上中止とすると、間隔が空きすぎるという懸念と、第6 波の拡大が始まったことを勘案し、現場見学に協力頂いている大手プリント配線板メーカー株式会社メイコー、大手EMS シークスエレクトロニクス株式会社と相談の上、次年度見学を意識した製造ラインの説明をWEB 上で行う事にしました。
 さらに、コロナ禍第7波が懸念されるなか、収束が見通せず、リアルな講座も難しそうな状況で、講座もWEB 上で行うこととしました。幸いYPEC アドバンスト・コースの経験があり、それに倣う形で本年度は準備を進めました。
また、この形態でのスクールはどれくらいの集客が見込めるか不確定なので、費用発生を極力抑えるように講師陣もYJC で固め、自主運営の方法で進めています。
 講座内容は羽深理事長「実装の重要性」、横内副理事長「エレクトロニクス実装技術の体系と全体像」、八甫谷理事「電子機器商品化における実装化の手順」、梶田理事「電子部品の全体像」、高木顧問「プリント配線板の基礎知識」、宮代顧問「半導体実装の基礎知識」、本多顧問「エレクトロニクス実装技術の今後」となっております。この一連の講座はYJC の教育プログラムの一つとして継続する予定です。

■2020年度
 13年以上の実績を持つスクールですが、本年度も2019年度同様、1日目を㈱メイコー(配線基板トップメーカー)で開催し、工場見学と大久保利一氏(NPO法人 サーキット・ネットワーク)の『実装基板の変遷~プリント配線板から半導体パッケージさらにはシステムインパッケージへ』」のテーマでの講義、2日目はシークスエレクトロニクス㈱(大手 EMS メーカー)で開催し、工場見学と津田建二氏(国際技術ジャーナリスト、セミコンポータル編集長兼News&Chips編集長)の『デジタル新時代の潮流と実装技術』のテーマでの講義を予定していましたが、昨年に引き続いて受け入れメーカーより新型コロナが続く中で行う事は感染リスクが有り実施は不可能と断られ、開催を断念しました。

■2019年度
 我々の身の回りを取り巻く技術の潮流においてはAI(人口知能:Artificial Intelligence)、IoT(モノのインターネット:Internet of Things)、5G通信(第5世代通信:5th generation)など、大変革が急速に進んでいます。この変化に対応して、実装技術の潮流を知り、また現場見学から基礎も学習するコースとして、自己のレベルアップを目指す実装技術者に向けて開催されてきた、13年以上の実績を持つ講座です。
 今年度は、前回好評であった講義と見学をセットにした形態で実施する予定でしたが、昨今の新型コロナウィルスの影響で、計画は中止となりました。
 当初の予定は、1日目「株式会社メイコー(配線基板トップメーカー)」で開催し、工場見学と大久保利一氏(NPO法人 サーキット・ネットワーク)の「実装基板の変遷~プリント配線板から半導体パッケージさらにはシステムインパッケージへ」のテーマでの講義でした。第2日目は「シークスエレクトロニクス㈱(大手 EMS メーカー)」で開催し、工場見学と津田建二氏((株)セミコンダクタポータル、国際技術ジャーナリスト)の「デジタル新時代の潮流と実装技術」のテーマでの講義を予定していました。

■2018年度
 YJCの教育事業ではNEDO以外に「JISSOスクール」事業を2006年以来継続推進しています。
 2018年度は2019年3月14日と26日の二日間に分けて開催しました。
 毎回人気のある工場見学と5G時代の実装技術に関する講義を組み合わせて行い、参加者は初日18名+54名(メイコー)、二日目13名+4名(シークス)で前回のアンケート結果を反映した構成は好評でした。
 第1日目は3月14日「株式会社メイコー(配線基板トップメーカー)」で開催し、工場見学と電子デバイス産業新聞の野村和宏氏の講演を行いました。
 第2日目は3月26日「シークスエレクトロニクス(株)(大手EMSメーカー)」で開催し、工場見学とエレクトロニクス実装学会の横内貴志男氏の講演を行いました。
 次世代通信5G(速度100倍/通信量1,000倍)、超遅延、多数接続)システムが実装技術にどう影響するかといった観点で基板プロセス技術者の関心も高く、質疑応答とアンケート結果から今後の期待を感じる手応えが得られましたが、受講者要求レベルとの整合課題も見えました。
 今回は白鳥YJC理事長に朝からの講義と工場見学に参加頂き、最後のご挨拶で講師の熱意に謝意を表するとともに、参加企業の技術者へ実装技術の重要性をメッセージとして述べて頂きました。

JISSOスクール参加者のアンケート結果(抜粋)